【ボーカリストは筋トレした方が良いのか!?】

2017.9.6

こんにちは。
ChihiRoボイス・ボーカルスクール 代表ボイストレーナーの鈴木智大です。

本日、東京は雨です。
9月に入って一気に寒さが増してきました。
体調を崩してしまう生徒さんが多いのを見ると、、、季節の変わり目は年齢関係なく体調には気をつけたいところですね。

さて、今回のテーマなのですが、ボーカルと筋トレは関連があるのか、というテーマについてお話ししていきたいと思います。

昔から色んなところで質問される内容なので、「実際のところどうなんだろう?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

【そもそもボーカリストはどんな筋肉が必要なのか?】
まず歌を歌うにあたって筋肉を使うかどうか、という点について。

結論から言うと、使います。

ではどこの筋肉を使うか。
正確に言うと、インナーマッスル声帯周りの筋肉、この2箇所のみ。

よく腹筋を使うということでめちゃくちゃ腹筋を頑張って鍛えている人がいるのですが、
これはある意味間違いです。
(もちろん筋肉があった方が支えという意味では全く効果が無いわけではありません。)

【どのようなトレーニングが必要か!?】
《インナーマッスルトレーニング》
お腹周りで言うと、腹筋よりもインナーマッスルの方が使います。
インナーマッスルとは、簡単に言うと表面の筋肉ではなく、名前の通り身体の内側の筋肉。

どのようなトレーニングをすれば良いかと言うと、
体幹トレーニング、ヨガなどはインナーマッスルが鍛えられるトレーニングなのでおすすめです。

声を出す時に使う筋肉なのでインナーマッスルを意識した発声を行うとより実践的で効果的。

例えば身体のバランスが崩れた時に身体を支えようとするお腹の負荷はインナーマッスルを使っているということです。
この状態を敢えて作り出して発声も同時に行ってみて下さい。
歌っている時のお腹の使い方のイメージが掴みやすくなりますし、インナーマッスルも鍛えられます。

体幹トレーニング×ボイストレーニングを組み合わせていただくととても良いです。

《声帯周りの筋肉トレーニング》
声帯自体は筋肉ではありません。
声を出す時、声帯周りの筋肉が動き、様々な高さの声を出すことが出来るのです。

その筋肉をしっかり鍛えることで、高い声でも裏返りにくくなりますし、音域も伸びます。

皆さん眠くなる時にあくびをすると思いますが、
あくびの動作は声帯周りの筋肉をとても効果的に使う動きです。

あくびの時の喉の動きを意図的に繰り返すことで声帯周りの筋肉が鍛えられます。
しかし、単にこの動きだけを行うのはとても面白みがなく飽きてきてしまいますので、スタンダードに発声練習を行うと良いでしょう。
喉を動かすということを意識して発声するようにするとより効果的です。

以上挙げた「インナーマッスルの動き」+「喉の動き」を同時に意識して発声練習を行うことがとても効果的です。
毎日続けていただくととても良いです。
是非試して見て下さい。

【アーティストさんがトレーニングを行う理由】
B’zの稲葉浩志さん、EXILEさん、GACKTさんなど、筋肉を鍛えているアーティストさんはとても多いです。

彼らはなぜ鍛えるのか?
やはり歌にはあれだけの筋肉が必要なのではないのか?と疑問に思う方も多いと思います。

前述した通り、歌うだけならそこまで表面の筋肉は必要ありません。
しかし彼らはトップアーティスト。
メディアへの露出も多いです。
常にカッコよくなければならない、というテーマがあるのです。

人前に出た時の見た目を意識した結果でもありますし、ライブツアー等を行うための体力作り楽器として鳴る身体を作るための身体作りでもあるのです。(GACKTさんのように好きでやっている方もいらっしゃいますが・・・)

趣味で歌をやるためのトレーニング、体力づくり、見た目のため、、、目的をしっかり定めて身体づくりを行うと良いですね。

【まとめ】
何のトレーニングを行う場合でもそうですが、ボイトレのように日々の積み重ねが力になるようなトレーニングは日々の変化を感じないとなかなか成果を感じにくいものです。

目的に合ったトレーニングを効果的にしっかり行えているか、と言うのを今一度見直すということもとても大切です。

ちなみに、ランニング等の有酸素運動が好きな方は声としては要注意。
有酸素運動は筋肉が消費されていきますので、健康やダイエットと言う意味では良いですが、声に関して言うと出にくくなる可能性があります。
私も以前、好きでランニングを月に100kmほど走っている時期がありました。(10kmのランニングを約週3ペース)

体重は10kgくらい落ちたのですが、声も出なくなってしまったのです。
正確に言うと、今まで出ていた高音が掠れて出なくなってしまいました。

そこからランニングを控えて体重をある程度戻した結果、声も元に戻りました。
ケースバイケースだと思いますがそういった実体験もありますし、周りのボイストレーナーさんも口を揃えて同じことをおっしゃってますのでまぁ間違いないですね。

声を大切にされている方は注意して下さいね。

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