2017.3.28
こんにちは。
ChihiRoボイス・ボーカルスクール 代表ボイストレーナーの鈴木智大です。
今回は人気ロックバンド、back numberのボーカル 清水依与吏さんの歌についてお話ししていきたいと思います。
清水依与吏さんと言えば、とても広い音域で歌うことで有名ですね。
優しい響きの低音、柔らかい裏声、力強い地声の高音、これらの音域をしっかりと使い分けで歌ってらっしゃいます。
どのようにしたら清水依与吏さんのように広い音域を歌いこなせるうようになるのか。
それには『声区』というものを理解しつつ声をコントロールする必要があります。
【声区とは】
声区(英語では「voice register」と呼びます)とは、発声する本人の感覚により、
・低音域を『胸声(チェストボイス』
・中音域を『中声(ミドルボイス)』
・高音域を『頭声(ヘッドボイス)』
と3段階の種類に区分けしたものを指します。
声帯は男女で長さが違い、出せる音域が違います。
また、同性であっても当然個人差がありますので、発声する本人にとってある音は低いのか高いのかという体感に違いが出てきます。
よってここからここまでの音が胸声、というように音名での区分けは出来ません。
低音域は胸に響かせるようにして発声すると響きやすく、中音域は鼻や眉間あたりに響かせるようにして発声すると響きやすく、高音域は頭に響かせるようにして発声すると響きやすい声が生まれます。
back number 清水依与吏さんは、これらの声区をしっかり使い分けることで、どの音域でもしっかりと響くキレイな声を出しているのです。
ではどのように練習にして行くのが良いのか。
【声区を使い分けて歌う】
練習する際はピアノ等の鍵盤楽器を用意すると良いです。
《胸声(チェストボイス)》
「ドレミファソファミレド」の音階を母音の「あ」で発声します。
この発声を半音ずつ上げながら発声していきます。
始めは自分が低いと感じる音から発声し、胸への響きを感じながら発声するようにしましょう。
《中声(ミドルボイス)》
だんだんと音が上がってきたら胸への響きが感じにくくなる音域にさしかかります。
そこで鼻や眉間(人により体感が異なります)へ響かせるように感覚を切り替えてみて下さい。
発声しやすくなるはずです。
《頭声(ヘッドボイス)》
そしてさらに音域を上げていくと、今度は鼻や眉間への響きが感じにくくなる音域にさしかかります。
今度は頭へ声を響かせるイメージで発声するよう感覚を切り替えます。
胸声から中声に切り替えた時と同様、発声しやすくなる感覚を覚えるはずです。
歌は低音域から高音域まで、実に幅広い音域でメロディーが構成されていますので、
歌っている中でこの声区を体感として感じながら歌えるように練習してみて下さい。
意外にこんな単純なことで、今まで歌いづらかった歌がグンと歌いやすくなるはずです。
【まとめ】
邦楽・洋楽問わず、現代のPOPSシーンの曲はどれも音域の幅が広いものが多いですが、
back numberの曲は特に音域が広いものが多いため、この声区を感じながら歌うにはとても良い練習曲になると思います。
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